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 歌舞伎・オペラ・ミュージカル
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 ビジュアルといえば、歌舞伎である。
意外に思われる方は、広辞苑で「かぶく」を引かれるとよい。「自由奔放に振舞う、異様な身なりをする」とある。実際、「助六」にしろ、「毛抜き」にしろ、ビジュアルな要素抜きに作品の面白さを味わうことは出来ない。
 歌舞伎座のサイトを抜きに歌舞伎を語ることは出来ないが、国立劇場も忘れてはなるまい。しかし、ライブものにはそれにふさわしいサイズというものがある。その意味で、金丸座(いわゆる琴平歌舞伎)、平成中村座は、一見の価値あり。ことに前者は、一階すべてが桟敷。花道も低く、中休みの後はお客さんがそこを歩いて自席に戻るという楽しい劇場である。
 歌舞伎を西洋に求めるなら、オペラのサイトにも行こう。日本初のオペラ専用劇場の新国立劇場がある。いわゆる多目的ホールが、「無目的ホール」などと揶揄される理由は、オペラに際し、一層明瞭となる。新国立劇場は、呼び屋さんたちが高額なものとして定着させた入場料の三分の一で、本格オペラを見せる。
 オペラは、フィレンツェの知的エリートのサークルで生み出された。完全な形の上演は、1600年というから、関が原合戦の年だ。つまり、歌舞伎と同じ時期に生まれている。庶民が人間の生存を直接に支える衣食住以外の楽しみにお金を支払う経済的余裕を持ち、かかる精神的渇望に応える音楽、戯曲、舞踏などの芸術家達が、洋の東西で同時期に生み出されたことは、単なる偶然だとしても興味深い。
 今年は、ヴェルディ没後100年。そのため特にヴェルディ作品の公演が目立つが、ミラノスカラ座でプッチーニの「トゥーランドット」演出した演出家浅利慶太の手腕は並ではない。
 オペラの場合には、歌舞伎よりも、はるかに音楽中心といえよう。劇としてみれば、ストーリーに飛躍のあるものが少なくないが、圧倒的な歌唱力で観客を納得させてしまう。次世代三大テノールの一人といわれるホセ・クーラに魅せられてオペラフリークになっちゃったなんてことは決して珍しくない。衣装は常にビジュアルだとはいえないが、多くの場合、舞台美術は豪華。
 このオペラからスノブィズムを取り去り、踊りと歌とのバランスに心がけたのが、ミュージカルと思えばよかろう。ミュージカルとくれば、劇団四季のサイトであろう。最近まで、同劇団のサイトがなかったため、ファンが作る非公式サイトに頼るしかなかったが、これで便利になった。トップページの「劇団四季」の文字にはちょっとした仕掛けがある。
 ところで、最近(といってもテロ事件の前だが)ブロードウェーで「FOSSY」を見たが、私の隣の女子大生に向かって、その父親が「やはり本物は違う」というと、その女子大生と母親いわく「四季のSong&Danceのほうがレベルが高いわ」と一蹴。実際、ブロードウェーの舞台を見ながら加藤啓二は世界一だと再確認した。もちろん、ミュージカルといえば、ブロードウェーという方にはこちらが便利。
 この他、大阪の国立文楽劇場も、この際入れておこう。
 
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