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 経費共同型
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 経費共同型とは、収入はあくまでも弁護士各自に帰属し、その個人の財布から、経費のうちの一定範囲のものについて、一定の基準に基づいて拠出する方式である。
 この方式による法律事務所は、よくある、判りやすい、とりわけ対等な複数人にとってはお互いが比較的容易に共同しやすい、法律事務所のタイプである。
 しかし、これは複数人からなる法律事務所ではあっても、その実質からすると共同法律事務所の名には値しない。なぜなら、そこには、質の高い法的サービスを提供してゆくためにお互いがどう共同し合うかという、最も本質的な観点がないからである。このような事務所づくりにおける主たる動機と共通の関心事は、いかにして安上がりに事務所を経営するかである。このタイプの大半は、一個のドアと一個の看板を持つにすぎない複数弁護士からなる個人事務所であり、有り体に言えば「見せかけの共同法律事務所」である。
 かかる事務所は、成員の経済力(あるいは稀には能力)が不均等に発展すると(そしてそのような不均等発展は最も自然な発展形態であるが)、個人事務所への分化のときをむかえる。なぜなら、発展している成員にとって、未発展な他の成員は桎梏以外の何者でもなくなるからである。明瞭な分裂の形を取ることが出来ないくらい、初めから見せかけ性が強い共同事務所すら少なくない。この傾向と、現状維持的な持たれ合い関係が結びついている場合には、各個人の発展が生じることすらなく、かかる現実が共同事務所の維持に寄与することとなる。
 

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