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【事件名】大原麗子さんの名誉毀損事件(2)
【年月日】平成13年7月5日
 東京高裁 平成13年(ネ)第1564号 損害賠償請求控訴事件
 (原審・東京地裁平成12年(ワ)第6930号)

判決
控訴人 株式会社光文社
代表者代表取締役 並河良
訴訟代理人弁護士 江口英彦
被控訴人 大原麗子こと 甲野花子
訴訟代理人弁護士 竹内三郎


主文
一 本件控訴を棄却する。
二 控訴費用は控訴人の負担とする。

事実及び理由
第一 当事者の求めた裁判
一 控訴の趣旨
(1)原判決を取り消す。
(2)被控訴人の請求を棄却する。
(3)訴訟費用は、第一、二審とも被控訴人の負担とする。
二 控訴の趣旨に対する答弁
 主文と同旨
第二 事案の概要
一 被控訴人は、長年「大原麗子」という芸名で芸能活動に従事し、広く芸能人気を有する者であるところ、控訴人の発行する週刊誌「女性自身」(以下「本件週刊誌」という。)の平成一二年三月七日、一四日合併号において「何が起きた!?大原麗子」、「犬と大げんか」、「トラブル続出でご近所大パニック」、「隣家を水びたし」、「あの女は雪女」などという見出しの記事が掲載されたほか、同合併号の表紙には被控訴人の顔写真とともに「トラブル続出でご近所大パニック!! 大原麗子」、「犬と大げんか隣家を水びたし!」、「あの女は雪女の評判」、「自宅の屋根で大声!!など奇っ怪行動ゾクゾク!!」などという見出しが大きく表示され、さらに当時の都市部の新聞紙、電車等の中吊り広告にも同様の見出しによる宣伝広告が掲示されたので、被控訴人が週刊誌の発行者である控訴人に対して、名誉毀損に当たるとして、慰謝料五〇〇〇万円を請求した事案である。
 第一審は、控訴人の週刊誌記事、表紙の見出し表示、新聞紙等における広告の掲載又は掲示は、被控訴人の名誉を毀損し、プライバシーを侵害する内容のものであり、公共の利益を図る目的に出た公表とはいえないと判断して、控訴人に慰謝料五〇〇万円の支払を命じた。
二 争いのない事実等(証拠等によって認定した事実は末尾に当該証拠等を掲記する。)
(1)当事者
(ア)被控訴人は、大原麗子という芸名で活動している女優である。
(イ)控訴人は、図書及び雑誌の出版等を目的とする株式会社で、本件週刊誌を発行、販売している。本件週刊誌の発行部数は約七二万部である(<証拠略>)。
(2)控訴人の行為
(ア)控訴人は、本件週刊誌平成一二年三月七日、一四日合併号(以下「本件合併号」という。)二九頁ないし三二頁に、原判決別紙(1)のとおり、被控訴人に関する記事及び被控訴人の顔写真等を掲載した(以下「本件記事」という。)。
(ア)被控訴人に何か異変が起きている
旨の記載(以下「本件記事1」という。)
a 何が起きた!?大原麗子(五三)(二九頁)
b テレビや舞台から姿を消し……
(三〇頁リード部分)
c その時の大原さんの格好は、昼間なのに黄色いサングラスをかけ、顔を隠すようにマフラーを巻いて、冬なのにサンダル履き。どこか体調が悪そうで壁に寄り掛かってお話ししてたそうです。でも、肝心な犬の話ではなくて、いつの間にか自分が子供のころに母親が自分を連れて家出をしたとか、涙ながらにそんな生い立ちを話しだしたそうです。それで犬の話に戻っても、また仕事のことを話したりとか、どこか話がチグハグで妙な感じがしたそうです。」
 複数の住人がここまで証言するとなると、やはり大原麗子には何か異変が起きているのだろうか(三二頁第二段一一行目ないし第三段一六行目)
d でも、大原麗子はバラエティに出られるキャラじゃない。もし、そういうことが理由で、彼女の気持ちが不安定になっているのなら残念ですね。(三二頁第四段一七行目ないし二一行目)
(イ)被控訴人が犬の吠えるのに対して怒鳴った等の記載(以下「本件記事2」という。)
a 犬と大ゲンカ!(二九頁)
b「少〜し愛して、長〜く愛して」のCMフレーズで世の男性を魅了した大原麗子。おなじみの、その甘え声はどこへ行ったのか、今や野太い声で近所中に吠えまくっているというのだが……(三〇頁冒頭部分)
c「大原さんのご近所のAさんの家では大型犬を三匹飼っているんですが、御用聞きやボクら新聞配達の人間が行けば、そりゃ番犬ですから吠えますよ。でも、そのたびに大原さんは自宅の窓を開けて“ウルサイ!”って太い声で怒鳴るんです。ある時なんて、へンテコな服を着てなぜか屋根の上から怒鳴ったことがあって、近所じゃ有名ですよ。(新聞配達の学生)(三〇頁第二段一三行目ないし一九行目、第三段一行目ないし六行目)
d Aさんの家の犬は、かわいそうに吠えると電流が流れる首輪をさせられていたことがあります(御用聞きの男性)。犬のトラブルだけではない。大原は、近所の家の改築工事の時も、窓から出入りの業者に向かって「ウルサイ!」と怒鳴り散らしたという。(三〇頁第三段一四行目ないし二二行目)
(ウ)被控訴人が近所とトラブルを起こしている旨の記載(以下「本件記事3」という。)
a トラブル続出でご近所大パニック!(二九頁)
b 今この家を中心に、近所はパニックに陥っているのだという。(三〇頁第二段一〇行目ないし一二行目)
c どうも大原麗子の評判は、芳しくないどころか、近所はいつどんな火の粉が降りかかるか戦々恐々としているらしいのだ。(三一頁第五段一五行目ないし三二頁第一段四行目)
(エ)被控訴人が隣家を水びたしにした旨の記載(以下「本件記事4」という。)
a 大家を水びたし!(二九頁)
b 「大原さんのところは、ご自分の非は一切認めようとしないから問題なんです。ある時、台風が来た時、大原さんのお隣の家が水浸しになったことがあるんです。原因は大原さんの家の庭の笹の葉が樋に詰まってしまったこと。それでそのお宅は、大原さんに直接言うと角が立つと思い、事務所を通じて笹の葉を切ってほしいと申し入れたそうです。後日、笹の葉を切ってもらったそうですが、大原さんは謝罪の言葉もなし。これじゃ、ご近所付合いとは言えませんでしょ。」(三一頁第三段一二行目ないし第四段一四行目)
(オ)被控訴人は雪女との旨の記載(以下「本件記事5」という。)
a あの女は「雪女」の声!(二九頁)
b「だから、近所ではあの方は日に当たると溶けてしまう"雪女"なんじゃないか、なんて悪い冗談言ったりしてるんですよ(笑)。」(三〇頁第一段一五行目ないし一九行目)
イ 本件合併号表紙の記載
 控訴人は、本件合併号の表紙で、原判決別紙(2)記載のとおり、「大原麗子(五三)、トラブル続出でご近所パニック!!犬と大げんか!、隣家を水びたし!、あの女は雪女!の評判、自宅の屋根で大声 !!など奇っ怪行動ゾクゾク!!」との見出しを被控訴人の顔写真付きで掲載した(以下「本件表紙」という。)。
ウ 新聞紙上への広告の掲載及び電車内の中吊り広告の掲示
 控訴人は、平成一二年二月二二日、新聞朝刊に本件合併号の広告として、原判決別紙(3)記載のとおり、本件表紙と同様の内容を掲載し、併せて、同様の内容を、その週の電車内の中吊り広告として掲示した(以下、新聞紙上の広告と電車内の中吊り広告を併せて「本件広告」といい、本件表紙と併せて「本件表紙等」という。)。
二 争点
(1)本件記事1ないし5及び本件表紙等(以下「本件記事等」という。)は、被控訴人の名誉ないし名誉感情を毀損するか。
(被控訴人の主張)
ア 本件記事1による名誉毀損
 本件記事1は、病気で芸能活動を一時停止していた被控訴人に対して、あたかも被控訴人の女優生命はなくなったかとの印象を読者に与えるもので、被控訴人の女優としてのプライドとその女優活動への冒とくであり、名誉毀損に当たる。
イ 本件記事2による名誉毀損
 本件記事2は、被控訴人がとんでもない女に変身してしまったという表現で、従来の甘え声で世の男性を魅了し、好感を持たれていたという印象を一転させ、近所に迷惑をかける狂人と化したとの印象を一般人に与えるもので、名誉毀損に当たる。
ウ 本件記事3による名誉毀損
 本件記事3は、被控訴人が近所に迷惑をかけているとの事実を侮蔑及び悪意を持って摘示しているもので、被控訴人の社会的評価を低下させる事実の摘示であり、名誉毀損に当たる。
エ 本件記事4による名誉毀損
 本件記事4は、被控訴人が、ホースで隣家に水をかけて水浸しにするような精神異常者であるとの印象を一般人に与えるもので、名誉毀損に当たる。
オ 本件記事5による名誉ないし名誉感情の毀損
 本件記事5は、被控訴人が、雪国の民話に出てくる、村人や旅人に奇怪な行動をして、ふーと消えてしまう雪女と類似の行動をとる人間のような印象を一般人に与えるもので、名誉ないし名誉感情の毀損に当たる。
力 本件表紙等による名誉ないし名誉感情の毀損
 本件表紙等は、本件記事の内容と関連しているものの、記事の内容とは独立した表現として、被控訴人の品性、人格的価値を否定しているもので、名誉ないし名誉感情の毀損に当たる。
(控訴人の主張)
 本件記事1ないし5及び本件表紙等(以下「本件記事等」という。)が被控訴人の名誉ないし名誉感情を毀損するという被控訴人の主張は争う。
雪女という表現は、取材対象の一人が、記者に対し、被控訴人をきれいな女性で、日に当たると溶けてしまう雪女みたいであるとの表現をしたことに基づくものであり、本件記事5及び本件表紙等の「あの女は雪女!の評判」という記載は、被控訴人の名誉を毀損しない。
(2)本件記事等について名誉毀損の成立阻却事由は存在するか。すなわち、本件記事等が、公共性及び公益目的を有し、かつ、その内容が真実であるといえるか。仮に真実でないとしても、控訴人において、本件記事等の内容を真実と信じるについて相当な理由があったか。
(控訴人の主張)
ア 事実の公共性及び公益目的
 日本の芸能界における大物女優であり、その行動がファンや読者の注目を浴びている被控訴人が、近隣住民とトラブルを起こしているということは秘匿されるべきプライバシーではなく、むしろ社会的事件として公正に報道すべき事実である。控訴人は、このような見地から、本件を社会的事件としてとらえ、被控訴人が近隣住民との間でトラブルを起こしていることを報じた。
 したがって、本件記事等の掲載は、公共の利益にかなうものであり、かつ報道目的に出たものであるから公益性がある。
 本件記事等は、芸能人の離婚、愛人問題、不倫関係などのスキャンダルなどの場合と異なり、被控訴人の近所付合いという公的空間に踏み出したところでのトラブルを社会的事件として報道している。被控訴人は日本で著名な芸能人であり、芸能活動にまつわる日常生活は、ファンや一般読者の関心の的であり、本人の芸能活動の継続を左右する病気が原因と解されるトラブルを社会的事件として報じることにより、被控訴人に何が起きているかという判断材料をファンや一般読者に提供しようとするものである。著名な芸能人であれば、プライバシーの範囲が限定され、本件記事等は、原判決のいう「その公開を受忍させるのが相当と認められる場合」に当たるというべきである。
 また、被控訴人が近隣住人等に怒鳴り散らしている事実は、被控訴人が国民的女優であることに照らせば、これを報道することは、社会的ニーズがあり、公益にかなうのである。
イ 真実性
 本件記事等の内容については、真実であることの証明があるというべきである。すなわち、乙二のテレビ報道は、独自の取材に基づいて行われ、本件記事等と同じ事実を指摘しているが、そこに現れた複数の人々はテレビの取材に応じて、本件記事等の内容と同様の証言をしている。
 本件記事1については、被控訴人自身が甲三の陳述書において、平成一一年(一九九九年)一一月ころからかつてのギランバレー症候群の症状と同様な症状が出て、体調が優れず、通院し、仕事をもキャンセルしたことなど、記事の主要な内容を自認している。
 本件記事2については、前記陳述書で、被控訴人自身が近所の犬の鳴き声、近所の家の工事の騒音に対してクレームをつけた事実を自認しており、前記テレビ報道の内容と併せると、記事内容が事実であることが明らかである。
 本件記事3については、本件週刊誌の契約記者田中康之(以下「田中記者」という。)の証言と前記テレピ報道の内容等により、近所の住人が被控訴人に対して戦々恐々としている事実が優に認められる。
 本件記事4については、前記陳述書で被控訴人も、近所から笹が樋に詰まっているので竹を切ってほしいという申出があったので何本か切ったと陳述しており、これに契約記者青山佳裕(以下「青山記者」という。)の証言を併せると、記事内容は事実であることが明らかである。
 本件記事5については、被控訴人は妖怪という意味で「雪女」と言われたことに名誉感情を侵害されると主張しているのであり、「きれいな女性で日に当たると溶けてしまう雪女みたいである。」という表現を引用したにすぎない場合には、被控訴人の名誉感情が侵害されることにはならない。
ウ 真実と信じるについての相当性
(ア)本件週刊誌の契約記者青山は、被控訴人の隣人及び近所の者二〇名以上を取材し、被控訴人が近隣で犬問題でトラブルを起こしたり、雨樋に笹を詰まらせて隣家を水浸しにしたことを確認した。
 本件週刊誌の契約記者田中は、情報提供者を直接取材し、被控訴人が、近所の犬に吠えられるたびにうるさいと怒鳴り返したりして近所の住人との間でトラブルを起こしていることを確認し、情報提供者の紹介で隣人を電話取材し、被控訴人とのトラブルは二年前から絶えないこと、被控訴人が屋根修補業者と屋根に登って屋根から犬に怒鳴り返したことを確認している。また、他の報道機関も、本件記事内容を再確認する形で被控訴人と同様に被控訴人の隣人等複数の人々を独自に取材して同様の供述内容を収録し、テレビで放映している。
(イ)以上の取材経過等によれば、本件記事等が、仮に本件記事内容が真実でないとしても、控訴人には、記事内容を真実と信じるに足りる相当な理由がある。
(被控訴人の主張)
ア 事実の公共性及び公益目的
 本件記事等に公益性はない。仮に、被控訴人と隣人との諍いがあったとしても、女優を対象にしているからといって本件記事等に公益性が生じるものではない。
 控訴人の本件記事等は、女優の名を利用して、一般読者の覗き趣味をくすぐり、雑誌売上げの増加を狙ったものであり、公益性又は公共の利益とは次元が異なるものである。
 女優と言えども、市民としての平穏な社会生活は保証されなければならず、プライバシーの保護が及ぶことは当然である。本件記事等の内容は、女優としても受忍の範囲内にあるとはいえない。
イ 真実性
 本件記事等の公表に続いて乙二のテレビ報道がされたとしても、その内容は、本件記事等の内容に追従するものであり、内容が真実であることにはならない。
ウ 真実と信じるについての相当性
 控訴人は、正確に事実を取材することなく記事にしたもので、本件記事等は真実ではない。
 情報源については、控訴人が、資料としたもの自体が、確実な内容を持つものと推測できるものでなくてはならず、客観的状況から資料、情報の入手経路や情報源の信頼性を調査しなければならない。控訴人は、かかる調査をせずに、本件記事等を掲載したものであり、その内容を真実と信じるに足りる相当な理由があるとはいえない。
(3)被控訴人の被った損害額
(被控訴人の主張)
 被控訴人は、本件記事等により、その品性、徳行、女優としての名声、信用等の人格的職業的評価、価値について、これまで社会から受けていた客観的評価、名誉を傷つけられ、女優として大きなダメージを受けたほか、再発していた二〇年前のギランバレー症候群の症状が当時軽快していたのに、本件記事等が報道されたため、症状が悪化して再度治療を要することとなり、すべての芸能活動の予定をキャンセルせざるを得ず、現在仕事ができなくなるほどの精神的肉体的打撃を受けた。被控訴人の女優としての評価は、少なくとも日本における俳優の中で上位に位置づけられており、被控訴人の出演料、広告出演料にかんがみても被控訴人が本件記事等により被った精神的損害等は大きく、これを癒すに足る慰謝料額は五〇〇〇万円を下るものではない。
(控訴人の主張)
 慰謝料額に関する被控訴人の主張は争う。
 仮に、被控訴人に対する名誉毀損の不法行為が成立するとしても、最近の名誉毀損事件裁判の認容例をアットランダムにピックアップすると、記事内容がおおむね真実であるものについては一〇〇万円単位の慰謝料が認容された例はない。出版物の記事による名誉毀損による慰謝料請求の認容額例は、最高でも三〇〇万円であり、原判決の認容した五〇〇万円の慰謝料は過大である。
第三 争点に対する判断
一 争点1(名誉ないし名誉感情毀損の成否)について
(1)雑誌の表紙及び記事あるいは広告によって人の名誉を毀損したことになるか否かを判断するに当たっては、その記事等の意味内容が他人の社会的評価を低下させるものであるかどうかにつき、当該記事等についての一般の読者の普通の注意と読み方を基準として判断すべきである。そこで、上記基準に従って、本件記事等によって被控訴人の名誉を毀損したか否かについて、検討することにする。
ア 本件記事1の名誉毀損性について
 本件記事1は、前記争いのない事実等(2)ア(ア)のとおりであり、「何が起きた大原麗子」との写真付き表題部分に続き、被控訴人が精神的に変調を来し、日常生活においても奇妙な行動をとり、テレビや舞台から姿を消した等の事実を摘示しているものである。
 一般の読者は、本件記事1により、被控訴人が、病気で精神的に不安定な状態にあって、芸能活動にも支障が出ているとの印象を受けるものと認められる。確かに、<証拠略>によれば、被控訴人は二〇年位前にギランバレー症候群の治療のために約八か月入院したことがあり、平成一一年一一月ごろに再発して東京女子医大の神経内科で治療を受けていたという事実があったことが認められるが、本件記事1の内容は、上記疾病の内容や症状に触れることなく、日常的な行動において異常な行動があることを読者に印象付けるものであると認められるから、これにより大原麗子の芸名でテレビや舞台等に出演して芸能活動を行ってきた被控訴人の女優としての評価が低下する危険性が生じたものと認められる。したがって、本件記事1は、被控訴人の名誉を毀損するものであると認めるのが相当である。
イ 本件記事2の名誉毀損性について
 本件記事2は、前記争いのない事実等(2)ア(イ)のとおりであり、写真付き表題部分の「犬と大ゲンカ」という見出しと併せると、甘え声で世の男性を魅了した被控訴人が、吠える近所の犬に対して、自宅の屋根の上等から頻繁に野太い声で怒鳴ること、近所の家の改築工事の際、窓から出入りの業者に向かって怒鳴り散らしたとの事実を摘示しているものである。
 一般の読者は、このような事実の摘示により、被控訴人が、気にいらないことがあるとすぐに怒鳴るなど必ずしも常識的とはいえない態度をとる人物であるとの印象を受けるものと認められる。そして、「犬と大げんか」との見出しは、本文との関連でも適切さを欠き、併せて、被控訴人の人格的評価や女優として築き上げてきた評価を低下させるものであると認められる。したがって、本件記事2は、被控訴人の名誉を毀損するものであると認めるのが相当である。
ウ 本件記事3の名誉毀損性について
 本件記事3は、前記争いのない事実等(2)ア(ウ)のとおりであり、写真付き表題部分の「トラブル続出でご近所大パニック」との見出しと併せると、被控訴人は、近所の住人と頻繁にトラブルを起こしており、近所の住人は、トラブルに巻き込まれるのを恐れ、被控訴人に対して戦々恐々としているとの事実を摘示しているものである。
 一般の読者は、このような事実の摘示により、被控訴人が、周辺住民と友好的な隣人関係を築くことができない問題の多い人物であるとの印象を受けるものと推認され、被控訴人の社会的評価を低下させるものであると認められる。以上によれば、本件記事3は、被控訴人の名誉を毀損するものと認めるのが相当である。
エ 本件記事4の名誉毀損性について
 本件記事4は、前記争いのない事実等(2)ア(エ)のとおりであり、写真付き表題部分の「隣家を水びたし」との見出しと、被控訴人が、自宅の笹の葉を隣家の雨樋に詰まらせて、隣家の庭を水びたしにしたにもかかわらず、謝罪しなかったとの本文記事とを併せると、被控訴人が自己の非をも認めない非礼ないし利己的な人物であるとの事実を摘示しているものである。
 本文記事を読んだ一般人は、笹の葉による雨樋の溢水が隣家の庭に何らかの重大な被害をもたらしたかのような印象を受け、被控訴人が、自分に責任がある場合でも全く謝罪しようとはしない性格の持ち主であるとの印象を受けるものと推認されるから、このような本件記事の事実の摘示は、被控訴人の社会的評価を低下させるものであると認められる。したがって、本件記事4は、被控訴人の名誉を毀損するものと認めるのが相当である。
オ 本件記事5の名誉毀損性について
 本件記事5は、前記争いのない事実等(2)ア(オ)のとおりであり、写真付き表題部分では、「あの女は「雪女」の声」という見出しと、近所の住民が、被控訴人が、日に当たると溶けてしまう雪女と冗談を言ったとの本文記事とを併せると、その趣旨は事実的内容として曖昧であるが、一般読者に被控訴人が人目を避けて暮らさざるを得ない何か秘密を持った人物ないし冷さを秘めた奇異な人物であることを印象づけるものである。
 記事の内容が名誉毀損に当たるというためには、記事の内容それ自体が、一般読者に真実らしく受け取ることができる程度に明確でなければならないが、上記の見出しを見た一般読者は、なぜ、被控訴人のことを雪女とする声があるのか理解できず、本文記事で、悪い冗談として、被控訴人が滅多に外出しないことを揶揄して「雪女」と表現しているものであることが理解できても、それが被控訴人の日常生活行動を侮辱的に揶揄するものであることを認識するものと認めざるを得ない。したがって、被控訴人は、本件記事5により、その名誉を毀損されたとまでいえないが、その名誉感情を侵害されたものと認められる。
(3)次に、本件表紙等の記載内容が被控訴人の社会的評価を低下させるものであるかについて、一般の読者の週刊誌の記事表題に関する普通の注意と見方を基準として検討する。
 本件表紙等は、前記争いのない事実等(2)イウのとおり、いずれもほぼ同様の内容を掲載している。いずれも読者の注意を引き、雑誌購入意欲を引き起こす効果をねらったもので、その性質上、誇張的な表現が行われることもやむを得ない面もあるが、本件記事に関する判断のとおり((2)アないしオ)、本件表紙等のうち、「犬と大げんか!」、「隣家を水びたし!」、「自宅の屋根で大声!!など奇っ怪行動ゾクゾク!!」との記載は、その許される範囲を逸脱し、被控訴人の社会的評価を低下させる名誉毀損に当たるものと認められ、「あの女は雪女!の評判」との記載及び顔写真の掲載は、被控訴人に対する違法な名誉感情の侵害に当たると解するのが相当である。
二 争点二(真実性の抗弁)について
(1)公共性及び公益目的の有無
ア 名誉毀損については、その行為が公共の利害に影響を有するなど公共性が認められる事実に係り、専ら公益又は一般人の健全で正当な関心ないし判断に資する目的に出たものであり、かつ、摘示された事実が真実であることが証明されたときは、その行為は、違法性を欠き、不法行為とはならない。また、仮に上記事実が真実であることが証明されなくても、その行為者においてその事実を真実と信じるについて相当な理由があるときは、その行為には違法性がないものとして、結局、不法行為は成立しないものと解するのが相当である。
イ ところで、控訴人は、被控訴人が著名な女優であることを理由に、その私生活上のトラブルは社会的事件として公正に報道すべき事実であり、その意味で、本件記事は、公共の利害に関する事実に当たると主張する。
 しかし、そもそも、公共の利害に関する事実とは、当該事実が多数一般の利害に関係するところから右事実につき関心を寄せることが正当と認められるものを指すのであって、多数人の単なる好奇心の対象となる事実をいうものではない。
 個人の私生活上の言動や家庭その他の私的な生活関係を構成する事実で、一般人の感性を基準として公開を欲しないような事実は、これを公開することに特に公共的な意義が認められる場合、又は当該個人の社会的地位や活動状況からいって、国民の自らの人格的素養を高めることに資するために、その情報の利用価値があり、これについて知る権利を認めるのが相当であり、その目的に沿うべく報道の自由を認めるべき必要があって、当該個人にその事実の公開を受忍させるのが相当と認められる場合を除き、その公開はプライバシーの侵害に当たり、その事実の摘示が、対象者の社会的評価を低下させるものと認められるときは、名誉毀損に当たるというべきである。
ウ これを本件についてみるに、まず、本件記事等に記載された内容は、いずれも、被控訴人の私生活上の言動などであり、被控訴人の芸能活動及びこれに関連する生活関係に関する記事とはいえず、プライバシーの保護が及び得る私的な生活関係に関連する事象であり、一般人の感性を基準とした場合、公開を欲しないような事実であると認められる。また、被控訴人が日本において著名な女優であることは当事者間に争いがないものの、芸能活動自体は、一般人の個人的趣味に働き掛けて、これを通じて公共性を持つものであるから、必ずしも私的な生活関係を明らかにする必要があるような社会的地位にあるとの特段の事情は認められない。著名な女優といえども、私生活の上では、一人の人間に過ぎず、その私生活の平穏は保護されるべきで、その私生活を好奇心の対象とすることが許されてよいわけではない。
 これに対して、控訴人は、本件記事等は、芸能人の離婚、愛人問題、不倫関係などのスキャンダルなどの場合と異なり、被控訴人の近所付合いという公的空間に踏み出したトラブルを社会的事件として報道しているから、ファンや一般読者に、被控訴人に何が起きているかという判断材料を提供しようとするものであって、知ることにつき社会的需要のある国民の関心事であり、その知る権利に適うものとして公共性、公益性があると主張する。しかしながら、前記認定によれば、本件記事等が指摘する被控訴人の近所付合いに関する言動は、その内容が被控訴人の芸能人としての立場に原因があるとか、その立場に影響を受けているといえるものではなく、専ら著名な女優である被控訴人の私的な市民生活上の出来事を取り上げて、芸能活動上の関心とは異なる興味本位の関心をかき立てる性質の誇張された内容と表現であると認められる。したがって、本件記事等の内容は、一般人感性を基準として見ても、通常は公表されたくないと考えられるものであり、被控訴人が著名な芸能人であるからといって、その情報が国民の個人としての自己の思想及び人格の形成、発展に資する性質のものであってその社会生活の中にこれを反映させていく上で不可欠のものであるとはいい難く、それを報道することが公共性、公益性を帯びるとはいえない。被控訴人が近隣住人等に怒鳴り散らしている事実は、被控訴人が人気のある女優であることに照らせば、これを報道することは、国民の低俗な覗き見趣味にかなうと言えても、本件記事1ないし4の内容からも被控訴人が近隣住民に怒鳴り散らしているという表現が相当する実態があるとは認め難いことや被控訴人が人気のある女優であるが故に前記のような誇張された表現の本件記事等まで甘受すべき立場にあるとはいえないことにかんがみ、正当化し得るものではない。
 以上によれば、本件記事等は、公共の利害に関する事実には当たらず、本件週刊誌への掲載も、専ら公益を図る目的に基づいてはいなかったと認めるのが相当であり、これを覆すに足りる証拠はない。そうだとすると、控訴人の名誉毀損の違法性阻却の抗弁は、その余の点を判断するまでもなく、理由がないというべきである。
(2)なお、控訴人は、真実性ないし真実と信じるについての相当性についても主張しているが、この点は本件記事等の違法性の程度の判断に影響し、被控訴人の慰謝料算定の考慮要素の一つともなるので、これについてもここで判断しておくこととする。
ア 真実性
(証拠略)によれば、記者田中は、第一情報提供者から情報を提供してくれる人物の紹介を受け、電話で取材したが面談は行わなかったこと、記者青山は、平成一二年二月一七日、一八日の二日間に、被控訴人宅の周辺住人、出入りの業者など約二〇人に話を聞いたことが認められる。
 右認定事実によれば、被控訴人の奇行を直接見聞し、また被害を受けた者複数からの情報を得たり、被控訴人あるいは所属プロダクションに確認したり、あるいは時間をかけて継続的に取材を行ったりした結果などの、確実な根拠があるわけではなく、全ての事情を総合しても、本件記事等のうちの被控訴人に対する社会的評価を低下させる表現部分の内容が真実であることの証明が十分にされたとはいえない。
 また、(証拠略)によれば、本件記事等の公表があった後、他のテレビ会社の報道番組でも被控訴人の生活状況に関する報道があったと認められるが、その報道は一応テレビ局の独自の取材に基づくものであったと推認される。しかし、その内容は、本件記事等が指摘する事実と一部一致しているものの、被控訴人の社会的評価を低下させる事実摘示の表現であると認められる本件記事1の中の日常生活においても異常の行動があることを窺わせる記事内容、本件記事2の「犬と大げんか」という表現内容と「番犬ですから吠えますよ。そのたびに大原さんは自宅の窓を開けて。”ウルサイ”って怒鳴るんです。ある時なんてへンテコな服を着てなぜか屋根の上から怒鳴ったことがあって、近所じゃ有名ですよ」という伝聞記事によって印象づけられる被控訴人に異常行動があったという取材記事の内容、本件記事3の「トラブル続出でご近所大パニック」という表現内容と「今この家を中心に、近所はパニックに陥っているのだという」、「どうも大原麗子の評判は芳しくないどころか、近所はいつどんな火の粉が降りかかるか戦々恐々としているらしいのだ」という伝聞表現による被控訴人の異常行動ないし被控訴人が異常な近所づき合いをしていることを窺わせる記事内容、本件記事4については「隣家を水びたし!」という表現内容と「ご自分の非は一切認めようとしないから問題」、「大原さんは謝罪の言葉もなし。」という被控訴人が近所付き合いの仕方が非常識であると印象づける記事内容などについては、必ずしもテレビ報道によっても、真実性が裏付けられているとはいえない。したがって、乙二のテレビ報道が、本件記事等の内容が真実であることを証明するものとは到底いえない。
イ 真実であると信じるについての相当性
 次に、控訴人が本件記事等を公表する時点において、本件記事を真実と信じるにつき相当な理由が認められるかにつき検討する。
 前記アのとおり、控訴人の取材が確実なものに依拠しているものとはいえないうえ、記者青山が本件記事等に関して取材を行ったのは平成一二年二月一七日、一八日の二日間のみであり、記者田中も、情報提供者に対して、電話で取材するにとどまること、記者青山は、被控訴人に対して事実関係の確認をしておらず、記者田中も、被控訴人に事実関係の確認のため電話を二回したというものの、被控訴人と接触を取るために十分な努力をしたとは認められないことからすれば、控訴人には、本件記事等の内容を真実であると信じ、本件週刊誌に掲載したことに相当な理由があるとは認められない。
 さらに、名誉感情の侵害についても、本件全証拠を検討するも、違法性を阻却するような特段の事情は認められない。
(3)小括
 以上のとおり、本件において、名誉毀損ないし名誉感情侵害の違法性阻却事由は認められず、結局、控訴人は、被控訴人に対して、本件記事等による名誉毀損ないし名誉感情侵害の不法行為責任を負うものというべきである。
三 争点三(被控訴人の損害)について
 そこで、控訴人が被控訴人に対して償うべきの慰謝料額について検討する。
(1)前記認定事実と(証拠略)によれば、被控訴人は、長年俳優として芸能活動に従事し、近年は日本でも著名な女優としてその地位を有するに至った者であるところ、約二〇年前にギランバレー症候群で神経内科(東大病院)の治療を受けた経験を有していたが、女優としての地位を確立した後である平成一一年一一月ごろ、上記疾病が再発し、体調不良となって東京女子医大で治療を受けざるを得なくなったこと、そのため被控訴人は平成一一年暮れから平成一二年三月までの間、芸能活動を休止することとしたが、当時は各種の映画、演劇、ドラマ等の出演、テレビ等のコマーシャル出演等の出演をしておれば合計二億円に上る収益を揚げられる見込みのあった地位にあったこと(なお、被控訴人は、本件記事等により上記の病気が再発して上記の出演等ができず、その報酬が得られなかった旨主張するが、その因果関係を認めるに足る客観的証拠はない。)、一方、控訴人の出版する本件週刊誌は、芸能人等の有名人の話題や芸能人のゴシップなどを記事として掲載することが少なくない女性向けの週刊誌であり、その発行部数が約七二万部にも及んでいる巨大な娯楽雑誌であること、その発行部数から推定される毎号の返本部数を控除しても少なくとも五〇万部は実売されていることが認められ、毎号当たり控訴人に少なくとも一億円以上の売上高をもたらしているものと推認される。
(2)前記認定のとおり、本件記事等は、近隣者の話という形をとりながらも、被控訴人の近隣との出来事等を、被控訴人の行動が異常又は非常識であり、被控訴人が近隣者との正常な付き合いができない異常者であるかのごとく印象づけるものであり、特に記事を伴わない本件表紙等の広告のみを見る者に対しては、被控訴人の社会的評価を著しく低下させる強い印象を抱かせるものであったと認められる。本件週刊誌は、少なくとも五〇万部以上実売されると認められる雑誌であり、その販売広告はさらに巨大な一般新聞紙や極めて多数の乗客の見る電車内の掲示広告によって一般読者の購読意欲を煽る宣伝文句を使用してなされていることもあり、また、本件記事以後にテレビジョン放送のいわゆるワイドショウ番組において本件記事と被控訴人のことが話題として取り上げられることとなり、本件記事等が社会、一般市民へ拡大伝播し、その影響や被害も軽視できない事態を被控訴人にもたらしたものである。本件記事等が被控訴人の名誉を毀損し、悪印象を与える内容が広く公表されたことは、長年芸能活動に従事し、著名な女優としての地位や好感を持たれる女性イメージを確立してきた被控訴人にとっては、単に精神的打撃を与えたというに止まらず、今後の芸能活動やコマージャル宣伝への出演等にもかなりの影響を及ぼす可能性があるものと認められる。
 控訴人は、本件のような出版物の記事による名誉毀損に対する慰謝料額の算定については過去の裁判例の認容額の相場と均衡を保つべきであると主張する。
 しかしながら、近時においては、国民の人格権に対する重要性の認識やその社会的、経済的価値に対する認識が高くなってきており、人格権の構成要素である名誉権、肖像権、その肖像、氏名、芸名及び人格的イメージの商業的利用価値及びプライバシーの権利の保護やそれらの侵害に対する補償についての要求も高くなっている。これらの法的状況と過去と現在の相対的な金銭価値感の変動を考慮すると、とかく軽く評価してきた過去の名誉毀損等による損害賠償等事件の裁判例の慰謝料額に拘束されたり、これとの均衡に拘ることは、必ずしも正義と公平の理念に適うものとはいえない。
 本件記事等によるその慰謝料額の算定においては、名誉毀損及び名誉感情の侵害となる本件記事等の内容が被控訴人に与えた精神的苦痛にとどまらず、本件記事等の公表によって生じ得る被控訴人の芸能活動及びコマーシャル宣伝への出演機会に対する悪影響による無形の財産的損害、本件記事等の内容が真実と認めるに足る証拠もなく、取材等も的確でなく、その記事内容が真実であると信ずるに足る相当な事由もないうえ、その表現も被控訴人の人格に対する配慮が見られず、購読意欲を煽り本件週刊誌の売上を上げて利益を図る意図があることが推認されるようなものであること、控訴人が本件記事等を載せた本件週刊誌で相当な利益を揚げていると推認され、多少の損害賠償金の支払では本件のような違法行為の自制が期待されないこと、そして、わが国においては民事私法の実定法上の規定もないのに、過去の判例により国民の知る権利に対応するため報道するマスメディアに緩やかな免責法理が認められてきており、本件記事のような類の虚偽報道や誤報記事による被害者に対する補償措置を多少強化しても国民の知る権利を脅かす危険性は少ないと見られること、本件記事等は従来の緩やかな免責法理に照らして判断しても違法性を阻却することができず、結果として違法性が高いこと、被控訴人が本件記事等に反駁、反論の措置として本件記事等と同程度の伝播効果のある週刊誌や一般新聞紙による名誉回復広告等を掲載してもらおうとすると数百万円以上の費用が掛かることが推認されることなどの事情を総合して勘案すると、本件記事等の公表によってもたらされた被控訴人の精神的苦痛等を償うに足りる慰謝料額は一〇〇〇万円を下回るものではないというべきである。
第四 結論
 以上によれば、被控訴人の本件請求は一〇〇〇万円の限度で理由があるが、被控訴人からの附帯控訴がなく、原判決を控訴人に不利益に変更することはできないから、本件控訴を理由がないものとして棄却することとし、主文のとおり判決する。

東京高等裁判所第16民事部
 裁判長裁判官 鬼頭季郎
 裁判官 慶田康男
 裁判官 齋木教朗は転官のため署名押印できない。

 裁判長裁判官 鬼頭季郎
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