事業化の前に行うべきこと
   
 新規に事業展開をする場合、商標権に関してあらかじめ行っておくべきことがあります。


●他人の権利を侵害していないか、調査する
 新規事業に使用する商標が他人の商標権を侵害していないか確認する必要があります。
 商標は公報によって公開されているため、「知らなかった」では済まない場合も出てくるからです。
 従いまして、事前に他人の権利の存否を確認しておくことが必要となります。
 また、商標権の効力は、登録商標に類似する商標に及びます。従いまして、類似の範囲まで調査することが求められます。


●侵害の可能性のある他人の権利が見つかったら・・・
 これから行う事業内容乃至販売予定の製品、又は事業予定のサービスに使用する商標が、本当にその他人の権利の侵害に当たるかを判断する必要があります。
 侵害の可能性がない場合には、そのまま事業展開を行うことができます。
 他人の権利の侵害にあたる場合には次のような対応を採ることができます。
(1)その権利を譲受する
  相手方と交渉し、対価を払って権利を譲り受けます。
(2)ライセンスの供与を受ける
  相手方と交渉し、対価を払って使用権の設定又は許諾を受けます。
(3)特許庁に対して無効審判を請求する
  相手方の権利を無効にすることができれば、その権利は初めから無かったものとみなされます。
(4)特許庁に対して取消審判を請求する
  取消審判にはいくつかの種類があります。例えば、「不使用取消審判」は相手方がその商標を一定期間使用していない場合に請求できます。
(5)先使用権の存在を確認する
  その権利の出願前から使用し、需要者の間に広く知られるに至った場合などの一定の要件を満たす場合、権利が存在していても使用できる場合があります。
(5)上記が全てうまくいかない場合、相手方の権利に抵触しないように商標を変更する


●出願はいつ行うべきなのか
 商標登録出願は、事業を開始する前に出願すべきです。他人が先に出願している場合、その商標を使用することができなくなる場合があるからです。